セパンでのヴァレとマルクの接触について、ヴァレが自身に科せられたペナルティを不服としてCAS(スポーツ仲裁裁判所)に訴えました。あ〜、なんだか泥沼な展開になりそうな、いやな気配がします。
ヴァレの主張が認められて、バレンシアでのグリッド降格なし、結果としてレースに勝ってヴァレが年間チャンピオンに。となったら、「ダークでダーティなチャンピオン」のイメージが拭えません。
逆にヴァレの主張が認められず、グリッドは最後尾、結果としてホルヘ・ロレンソ選手が年間チャンピオン。となっても、今度はホルヘが「ヴァレが最後尾スタートだったから」チャンピオンになった。本当に強い選手はヴァレではないか。そういう風に言われそうです。まあ、告訴しなくても同じ展開なんですが。
ヴァレは多分、年間チャンピオンをどうしても今年とりたいのだと思います。来年、ホンダとマルクのセットが復活してきたら、まずチャンピオンは無理でしょうね。セッティングが決まったときのホルヘは、それ以上に強い走りをします。それに、ダニも復調してきているし。ドゥカティもスズキも戦闘力をあげています。そして、何より、若い選手がどんどんとMotoGPに参戦してきます。今後、MotoGP最年長の彼がトップで走り続けられるとは思えません。今年が最後のチャンスだと考えているのでしょう。
それに、記録は残ります。「10回チャンピオンになった男」という称号は、MotoGPが続く限り残ります。今年起きたこと、その印象は時間とともに薄れていき、チャンピオンという記録だけが残るんです。
ただ、ファンとしては、そういう風になって欲しくありません。勝つときも負けるときも正々堂々、そういう勝負を見たいだけです。