ここのところ、週末は雨続きで、全くバイクに乗れません。下書きで残しておいた記事があったので、当時を思い出しながら加筆して公開します。
2014年に大型二輪教習に通っていた時、教えられた通りに運転すると、実際の路上では危険ではないかと思うことがありました。正しいルールではあるのでしょうが、現実世界にそのまま適用して良いのか、ということです。
ずっと、この違和感は自分の思い込みかと思っていました。最近、教習について書かれた記事を見つけて、そういうこともあるのかもしれない、そう思いました。
その記事がこちらです。タシロセイジさんのライディング・ブログ。
この記事では、教習というのは「二輪車を法律的に正しく操作する技術」を教えていて、レジャーとしての「楽しく安全に走らせる」ことは教えていないと書かれています。これは筆者のタシロさんの意見ですので、全てが正しいとは思いませんが、現実に即した、ひとつの考え方として覚えておいてもよいと思います。
私が教習所で違和感を感じたのは、次の点です。
1.車線の左端を走る
いやいや、そんなことしたら自動車に並走されて危険です。路上では、車線の真ん中を走って、車が入るスペースを無くすべきです。
2.障害物に顔を向けながら通過する
そんなに近くに視線を置くと、その先の路上状況を見ることができず、逆に危険です。これは多分、教習生が「障害物を本当に見ているのか」を教官が分かり易くするための指導だと思います。
3.メリハリのある運転をする
これは教えてくれなかったですね。メリハリのある運転をするということは、バイクの挙動が安定すると同時に、自分の次の行動を周囲に知らせて、事故を防ぐことにもなります。「しっかり加速、しっかり減速する」「右左折する場合は、直前ではなく早めにウィンカーを出す」などといったことです。
もちろん、教習所を卒業できないレベルの人が、路上で安全に走行できるとは思いません。遵法意識、運転技能、交通ルール知識は最低限必要ですよね。教習内容は、路上に出るための最低条件なのだと思います。
でも、大型二輪の卒業検定を一緒に受けた人で、本当に合格させて良いのか疑問になる方もいました。その方は、道路の真ん中でエンストして転びそうになる、坂道で停止したらエンスト、走るときはフラフラしている、ウインカーを出すのが曲がる直前、などなどと路上では絶対に出会いたくないほど下手でした。どうやら、バイクの経験がなく、いきなり大型に挑戦していたようです。それで、教習や検定はXJR1300ですからね。重量に慣れるだけでも大変だと思います。とはいうものの、そんな運転でも特に注意や指導を受けるでもなく、合格してるんですよ。
逆に私は注意を受けました、一本橋で時間不足、クランクでポールに当たりそうと指摘されました。自分を過大評価するつもりはありませんが、前述の方よりも遥かにオートバイを上手に操っていたはずです。まあ、私の走りにクセがあったのかもしれませんけど。でも、あぁ、教習所は実際の路上とは違うんだ、と改めて思わされました。
また、路上での経験からすると、「走ることができる人」と、「安全に走ることができる人」の間には、技量だけでなく周囲への配慮も含めて、かなりの開きがあると感じています。教習所を卒業しても、勉強はそれで終わりではありません。走るたびに様々な場面に遭遇するので、常に勉強しています。
教習所で大型二輪免許が取れるようになったことは、それはいいことだと思うんです。自分もそのおかげで大型の免許を取れましたし。ただ、技量がバイクに追いついていない人とは、路上では出会いたくないです。